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君の欠片   C-side

2009年08月21日 01:13

夏コミ・インテックス大阪で発売された・される『PEACHSODA』の日向のSSと漫画のカガリサイドSSです。

PEACHSODAのほうはアスランサイドですv

リードモアへ





















・・・




夕方は、とても賑やかな商店街。

青い海
自転車で自力で頂上まで行けるかどうか試すような山。
風を切って下る坂道。
長い長い階段の参道がある神社。
そしてそこからの景色。

商店街に法律事務所を構え、家も住宅街に購入して・・・もう転校はしないとお父様に言われて喜んだ街。

友達たくさん作るぞって・・・物凄く意気込んだ。







近くの公立の学校に通うようになって、1番最初に仲良くなったのはキラっていう男子。

席がとなりになって・・・おとなしそうにちょっとみえて・・気になった。
大人しいというより元気がないようにもみえて、授業中も寝に入ろうとするキラを起こしながらいろいろ聞きまくった。喋ると目立つのでノートのはしっこを切って渡す。
何枚かの紙を行き来しているうちに友達が転校してしまったらしいことがわかった。
自分と入れ違いで。
そっか~そんなに仲がよかったらひょっこり戻ってくるんじゃないか?とのんきに返したら初めて笑ってくれた。

少年野球ある?とか陸上大会まだ終わってないよなとか自分が住んでる所が30メートル坂を下りたところにキラの家があるとか驚いたり・・・質問しまくっていたら、先生に呼ばれてキラと共に廊下に立たされた。

巻き添え食らってふて腐れたキラに「女の子だよね・・?」とあんまりなことを言うので「人のせいにばかりすんな」と拳を振り上げて殴り掛かったのが止められる。
なよなよしているけどやるじゃんって話したら、転校していった友達が真面目で勉強も出来てスポーツも凄かったらしく、引っ張られるようにいろいろ上達したらしい。
キラはその友達の話になると凄く饒舌だった。

そんだけ凄いなら野球で勝負したいなって話したら多分普通に負けるよとか言われてまた殴ろうとしてまた止められて・・・・そうこうしているうちに一時間目が終わろうとしていた。





それから2年後、
クラスがまたキラと一緒になり、大喜びした。
友達もクラスやクラブ活動でやってる軟式テニスや少年野球でたくさん友達つくり、同じテニスクラブ選択のミリアリアには本気で友達100人作るつもりなの?と呆れられた。
引越しばかりしてたから鬱憤があるんだから仕方がないだろ!とそう返すことにしている。




そんな春から3ヶ月。



初夏を感じさせる日曜日の昼下がり。
少年野球を終えて自宅へバットと鞄を置きに行こうとしていたところだった。
休日なのにきっと事務所にいるお父様になにか差し入れでも持っていこうと思ったからだ。
一応家政婦にきているマーナに相談した上でだが。
仕事中は来ないように言われているが、休みの日はそれほどうるさくは言われない。
駆け足で坂の一番上にある自分の家に向かった。



すると坂の途中にあるキラの家の前に一人の少年がいる。







オーブの夜の海のような


深い藍色の髪





キラの持っているアルバムの中の・・・キラの親友と重なる。



「・・・アスラン?」



少年が振り返る。

うわああ、本物だ!本物のアスランだ!
と内心で思いつつ、喜びを隠せない。
キラだって物凄く喜ぶはずだ。一人だけ浮かれてはいかんいかんと思い、怪訝そうにしている彼にキラが今日お父さんとお母さんと出かけていることを伝える。



「そう・・どうも・・」



だがしかし、その当人は、

早々に話を打ち切って立ち去ろうとする。
好意の欠片もない。


おい・・、

こらまてっ!




やっぱりそういうところはキラの友達だな!

友達いなくてつまんないのはわかるがそれはないんじゃないのか!
流石に転校を繰り返した自分だから寂しいのはわかるが。

「ちょっ・・まてよ!」

急いで捕まえる。
キラにコイツは相当運動神経がいいことを聞いている。だったら逃げ足も速いはずだ。
強く掴んで本当に嫌そうな顔をされた挙句、「何」と聞き返してくる。
「だーかーらっ、アスランなんだろ?キラの幼馴染の!!」
不機嫌そうな声に負けずに声を張り上げて言い返した。

・・強張っていた少年の顔が少し緩む。引っ張る手の力も緩んだ。
「ごめん、わかんないよな。キラの友達のカガリだ!。」

してやった!と思いにやっと笑って自己紹介まで一気にする。



一人みたいだし・・、親は別行動で観光でもしているのかな?そうちゃんと聞きもせず判断して、キラと遊ぶつもりでいたのならこの後の予定はないだろうしとぐいぐいアスランを引っ張っていく。

目指すは商店街にあるうどん屋さん。
キラと仲がいいなら知ってるはずだし、好きなはずだ。
何より自分がお腹が空いた。


アスランも強引さにあきれ返っていたが、諦めたのか従ってくれる。
もともと暇なんだろうし。
少し付き合えってば。
うどん食べて、その後は・・




2年間試してみたかった彼との勝負だ!











*****





・・・・・。




・・・・キラの友達に初めて会えた喜びにで。

調子に乗って凄く傷つけるようなことも言ったかもしれない。
へんな事言ったかもしれない。



そう思うと食事をしていてかいた汗がすうっっと引いていく。





少しにが笑うように、躊躇うように、
彼はうどん屋さんのおばさんに話していた。




アスランがアスランのお母様の事を。








鞄をうどん屋のおばさんに預けて・・あまりの数の階段のせいで人がなかなか参拝しない神社にまで彼を引っ張っていく。
商店街に長くいたりするとまた声をかけられるかもしれないし、公園とかはアスランも知っている友達がいるかもしれない。


・・・いまは

ほんとは



キラ以外の友達とは・・会いたくなかったはずだ。








「かんがえなしなこと言ってたら、ごめん!」
言い分けも何もない。あやまらないとって思った。
・・うちも母親は物心つく前にいないけどお父様は厳しいけど可愛がってくれるし、マーナもいるし、キサカもエリカも・・うちの社員はみんな家族のように優しいから・・・アスランが寂しそうにしているのにそんな話なんかしちゃいけないはずだ。
キラの話が一番元気になるっぽいから家族の話はしていなかったと思うけど・・・、はずみというのもあるし・・・。








「・・・顔を上げてよ、・・・君は何も言っていないから大丈夫だよ」



・・・。

・・ほんとうにか?



少し顔を上げて確かめる。


にが笑って、しょうがないなって顔で笑っている。
頭をくしゃっと撫でてくれて、その手からも、彼の・・・優しさが伝わってくる。

やっぱりキラがいなくて寂しかっただろうなとか、お母様との思い出があるんだろうなとか・・。





・・・・別の意味で泣きそうになった。


なんでこんないいヤツが辛いんだろうって・・・。



感情的になると涙が出やすい自分だ。
慌てて笑顔を作る。
許してくれて嬉しかったから。
たぶん泣いたりしたら困るだろうから。




振り切るように笑う。



「よしっ!今日は遊び倒すぞ!」









神社の階段下りながら、クラスメイト他に覚えている奴いる?知ってるやつなら電話で呼ぶけど?と聞いてみたが予想通りの断りの返事だった。そういうところキラと同じだなあと突っ込みを入れたら、そんなことないと言われた。

鞄を商店街の事務所に投げ入れて、・・・事務所の奥に見えたエリカにお昼ご飯は食べた事を伝え、プラス荷物を置いていくから!と叫んで捕まるまえに事務所を出た。
そして向かうべきはバッティングセンター。


バッターボックスに立ってぶんぶんと素振りをする。
すると遅れてカードを買ってきたアスランが隣に入る。

入ったボックスに・・・・・驚く。

カガリの右側なら右打ちだけど、左側に入るなら・・それは左打ち専用だった。
「お前・・・まさか左打ち?!」
「あ、いや、投げるのは右だけど。」
答えになっていないと思いつつ、動揺する。
この時点でなんとなく差がつけられているような気がする。
自分は右投げ右打ちだ。でも左打ちにも憧れる。
右で当たるだけに左で練習するとフォームが崩れそうで・・・。
「野球経験あるのか?」
「公園で遊ぶくらいは・・昔はだけど。」
それってただの男子遊びじゃんか!いやそれはそれで楽しいけどユニフォーム着て戦うのとは違うだろう!


「・・・速度は、どうするんだ?」
「・・・MAXで」





・・・・・

かっこよすぎる。






その時耳まで赤くなっていたのをこのときの自分は気づいていない。

アスランに放たれた第一球目。
バットの真芯に当たる音が響き綺麗なセンター返しだった。





「よおおし負けないぞ!」
自分も速度マックスを打ちはじめる。
ただの照れ隠しとしか思えなかった。
流石に速度いっぱいはきちんとあたる事がない。だが、程よい興奮状態が身体を柔らかくする。


後ろから感嘆の声が上がると嬉しくなって・・・。


2回分の50球を打ち終わったあと、彼に左うちの打ち方とその練習方法を教わった。




最初の思惑通りほんと遊び倒した。
根気よくアスランも付き合ってくれて、・・石投げもキャッチボールの投げあいも(どちらが先にエラーするかどうか)負けたけどさ・・。

海に行った時はほんとに石を厳選したんだけどな。結局3飛びぶん負けて完敗・・。
そのうち二人とも水の中に倒れこんでずぶぬれになった。

その時潜った時見つけた・・・珊瑚?かな綺麗な石を拾って彼にあげた。

ちょっとでも思い出になってくれればいいなって思って。
この国に住んだことが頑張る力になるなら。



濡れ鼠になってもオーブの海は綺麗だし、一応近くにシャワーもあるから体操服ごとかぶって後は夏の太陽が乾かしてくれる。

海から商店街までは走ると2キロあるけど走ることにした。バスに乗っても良かったけど迷惑なぐらい濡れていたし、エアコンに当たったら風邪を引きそうだった。


そうして商店街の荷物をとって・・荷物の中にグローブがあったのと事務所に社員さんが使っているグローブがあったと思ったからそれをもってまた外に出た。


外に出るとまたアスランが商店街の八百屋のおじさんに声をかけられていて。

結構人気者だったんだろうなあと思う。
でも本人は気づいていないのだろう。


さっきうどん屋さんのおばさんに話していたときより柔らかい表情で話しているのが嬉しかった。







「うん、そうだ、お前とちょうど入れ違いで引っ越してきたんだ。家はキラんちの近くだよ」
「・・・そっか、アイツ、人見知りするのによく仲良くなったな。」
「そうでもないぞ、それに席がすぐ隣だったから何かと話せたし。」
「・・・カガリのことだから強引に友達になったんだろう?。」
「なんだと!」
そりゃ間違いないけどさ。
でも相手の気持ちは考えつつだけど強引さ必要だと思うんだけどな。


不貞腐れつつ・・


なんか短い間に自分のことを知ってもらえて嬉しい気持ちがあふれてくる。



そんな気持ちがどんな気持ちなのかまだ知らなくて、やはり照れ隠しで悪態をつく。

「ちぇっ。今でもアスランのこと話すよ~。だからちゃんと話してメールぐらいやり取りしろよ。」

言葉も乱暴だけどボールも結構早めに投げる。
ぱしっぱしっっとグローブに収まる音は軽快でリズムよくアスランと投げ合うのを繰り返す。
その音に混じって小さく「ああ・・」と彼が微笑む。
夕焼けに染まって・・・綺麗だった。

うん、綺麗という形容詞が一番合う。
・・・こんな綺麗な男子がいるのかよ・・・と心からこっそり思った。
芸能人になればいいんじゃないか?と思いつつ物凄く不向きそうだと一蹴する。
「・・・戻ってきたら、お前絶対少年野球に引きずり込んでやるからな!」
「そういえばそういうのに入っていなかったな。キラは入っているのか?」
「・・・アイツは失敗した・・・。ほんとにキラも運動神経いいのにもったいない!・・・おいおまえっキラが入らないなら入らないとかジシュセイの無い事いうなよ!」
「強制と自主性は違うだろ?」
「このインドア馬鹿共!」

ぶんと腕を振ったらすっぽ抜けた。
がアスランが軽くジャンプしてキャッチする。

悔しいというより捕れると思わなくてびっくりして、


嬉しくなって、


「お前ホント上手いじゃん!!」




賛辞は当然だった。











19時ごろ・・キラの家に戻ると家に電気がついていた。
戻ってきたばかりみたいでなんかばたばたしているような雰囲気もある。
アスランを後押しして呼び鈴を鳴らすと、キラが出て・・返事もせずに物凄い勢いでドアを開けにきた。


「じゃあ、またな!キラも!」

せっかくの再会をよそ者が入っても駄目だろうと、一歩引くことにした。
自分は今日めいいっぱい遊んでもらったし。


手を振って、坂の上にある自宅に走り出した。


ワクワクドキドキする気持ちを抑えきれないまま、夕食ではアスランのことをお父様に話し、お風呂に急いで入り布団にもぐりこんだ。
そして今日という日をもう一度思い出す。
でも多分すぐ寝ちゃうだろうなあとか思いながら・・・寝ても夢に出てきたらいいなとまで思った。













・・・数年後





気持ちが大きくなっているのに気が付いた。











・・・アスランの事が好きだって。






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